就労移行支援のプログラミングは未経験でも大丈夫?難易度と3つの出口を解説

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「就労移行支援でプログラミングを学びたい。でも、自分にできるのかな…」

その不安、痛いほどわかります。

私自身、一般雇用で心身を壊して退職し、障害者手帳を取得して就労移行支援事業所を利用した経験があります。最初に選んだ事業所が大ハズレで貴重な時間を失い、最終的には転職エージェント3社に切り替えて、希望した年収と必要な配慮を通したうえで働き始めることができました。

ただし、隠さずに書きます。私の内定は「契約社員」です。障害者雇用の正社員求人は、現実としてとても少ない。エージェントも契約社員や嘱託社員の求人を含めて紹介してきます。今は正社員登用を目指しているところです。少ない中でも、戦略次第で道はある——そこも含めて受け取ってください。

その過程で、IT系の訓練や求人について嫌というほど調べ、体験し、失敗しました。

だからこそ言えます。就労移行支援のプログラミング訓練の「難易度」は、一言では答えられません。事業所によって天と地ほどの差がありますし、あなたが目指す職種や、あなたにとって何がしんどいかによっても全く変わるからです。

この記事では、「未経験でもOK!」「初心者でも安心!」という事業所側のキレイごとではなく、プログラミング学習の難易度のリアル・事業所選びの判断基準・万が一合わなかった時の出口戦略までお話しします。

先に断っておきます。ここに書くのは「正解」ではなく、事業所選びに失敗した私ひとりの一例です。同じ診断名でも、背景も出方もしんどくなるポイントも十人十色。だから「こうすべき」ではなく「私はこうしておけば良かった」を置いていきます。拾えるところだけ拾ってください。

この記事でわかること
  • プログラミング訓練の難易度が「事業所による」としか言えない理由と、未経験がつまずく3つの壁
  • 診断名ではなく「つまずき方」で考える5つのパターンと、それぞれの対策
  • 就労移行支援で学べる言語5つの難易度と、その先にある就職先
  • 障害者雇用のIT求人で求められる最低スキルラインと、利用期間2年の学習ロードマップ
  • プログラミングが合わなかった時に残るIT系の出口3つ
  • 見学で使える7つのチェック質問(1ヶ所目で決めて失敗した私の反省から)

記事内の比較表へ移動します

先に結論だけ知りたい方へ。

プログラミングが難しいかどうかより先に決まるのは、その訓練が、あなたの狙う職種に届いているかどうかでした。
IT系で未経験から狙える職種と、事業所選びで見るべき7つのポイントは次の記事にまとめてあります。

目次

就労移行支援のプログラミング訓練、正直どのくらい難しいのか

結論から言います。

就労移行支援のプログラミング訓練の難易度は「事業所による」。これが答えです。

身も蓋もない回答に聞こえるかもしれません。でもこれが現実なんです。PC操作すらおぼつかないレベルから丁寧に教えてくれる事業所もあれば、いきなりPythonのコードを書かせる事業所もある。「初心者向け」を謳いながらカリキュラムが動画教材を流すだけのところもあれば、実務経験のある講師がマンツーマンで教えてくれるところもある。

だから「プログラミングは難しいですか?」と聞かれたら、私はこう返します。

「あなたがどの事業所を選ぶかで、難易度は全く変わります」

就労移行支援のプログラミングって、ぶっちゃけ難しいの?簡単なの?

どっちとも言えないんです。事業所によって訓練のレベルが全然違う。だからこそ「自分に合った事業所を選ぶ」ことが最初の勝負なんです。

プログラミング未経験者が最初につまずく3つのポイント

事業所の質の話をする前に、まずプログラミング学習そのもので「ここが壁になりやすい」というポイントを正直にお伝えします。

壁①:「そもそも何を学んでいるのか分からない」という抽象的な壁

プログラミングは「手を動かす作業」に見えますが、本質は「論理的に考える力」です。変数、条件分岐、ループ…初めて聞く概念が次々出てきて、「言葉の意味は分かるけど、なぜこう書くのか理解できない」という状態に陥りやすい。

壁②:エラーが出た瞬間、頭が真っ白になる

プログラミングはエラーとの闘いです。自分が書いたコードが動かない。エラーメッセージは英語。どこが間違っているか分からない。この「動かない→原因が分からない→焦る→余計に分からなくなる」のループにハマると、心が折れます。

壁③:「いつできるようになるのか」が見えない不安

英語学習やスポーツと同じで、プログラミングも「ある日突然できるようになる」感覚があります。逆に言えば、それまでは「やっても進んでいる気がしない」時期が続く。この先が見えない期間に耐えられるかどうかが分かれ道です。

ただし、ここが重要です。就労移行支援の環境なら、この3つの壁は独学より乗り越えやすい。

独学だと、分からないことを聞ける人がいない。体調が落ちた週にそのまま止まって、二度と再開できない。実際「独学で挫折した」という声は、SNSでも掲示板でも本当によく見かけます。就労移行支援なら、スタッフに質問できる。体調が悪い日は休める。自分のペースで進められる。孤独と無理なペースという、続かなくなる二大要因をカバーしてくれる環境なんです。

問題は、そのカバーの「質」が事業所によって全く違うということ。ここを見極めないと、私のように時間を失うことになります。

プログラミングの「向き不向き」は診断名では決まらない

「自分の障害特性とプログラミングの相性はどうなのか」——ここを気にする方は多いと思います。私もそうでした。

ただ、私は診断名で向き不向きを語るのはやめたほうがいいと思っています。同じ診断名でも、そこに至った背景も、しんどくなるポイントも十人十色だからです。「ASDだから細かい作業が得意」「うつだから続かない」——そう言われて、当てはまらない自分に余計に落ち込んだ経験、ありませんか。

役に立つのは診断名ではなく、「学習中の自分に、具体的に何が起きるか」のほうです。私が自分の体で確かめたことと、事業所や勉強会で見聞きしたパターンを整理すると、だいたいこの5つに分かれました。

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つまずき方実際に起きること試す価値のある対策
長時間の集中が続かない30分もすると画面の文字が滑る。周りの話し声や物音で切れる25分+5分など短いリズムで区切る。静かな席・イヤーマフを使えるか見学で聞く
体調に波があって進度が読めない動ける週と動けない週の差が大きく、カリキュラムから遅れて焦る週3〜4日から始める。在宅・オンライン受講に対応した事業所を選ぶ
個人作業は進むが、人とのやり取りで消耗する質問・報告・雑談のコストが、学習そのものより重くのしかかる個人学習中心のカリキュラムか、チャットで質問できる体制かを確認する
長時間のPC操作が体に響く姿勢・目・手首。夕方には何も頭に入らなくなる機材や休憩の調整に応じてくれるか、在宅併用が可能かを確認する
概念そのものが頭に入ってこない手順は追えるが「なぜそう書くのか」が結びつかない教材を変える・人に説明してもらう。3〜6ヶ月やって変わらなければ別の出口も検討する

私の場合は、1つ目と3つ目が重かった。人の動き・物音・発言に反応してしまうので、静かな環境と、口頭より文字でやり取りできる体制があるかどうかが死活問題でした。だから今も働き方は在宅かハイブリッドが現実的だと考えています。

大事なのは、「できない自分」を疑うより先に、「その環境で合っているか」を疑うことです。集中が切れるなら短いリズムに対応した事業所を、体調に波があるなら在宅対応の事業所を——選択肢は存在します。問題は、その選択肢を知っているかどうかと、見学で聞けるかどうかです。

一般のプログラミングスクールとの難易度比較

「一般のプログラミングスクールと比べて、就労移行支援の訓練は簡単なの?」と聞かれることがあります。これもよくある疑問ですね。

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一般プログラミングスクール就労移行支援(IT特化型)
費用数十万円規模の自己負担前年度の世帯収入により決まる(多くの方が自己負担0円)
期間3〜6ヶ月(短期集中)原則最長2年(自分のペース)
学習ペース全員同じカリキュラム体調に合わせた調整が効きやすい
サポート技術的な質問対応技術+メンタル+体調+就職支援
就職支援企業紹介あり障害者雇用に特化した支援
難易度感ペースが速く挫折しやすい自分のペースだが事業所の質に差

ペースの面では、就労移行支援の方が圧倒的に楽です。体調が悪ければ休めますし、理解が追いつかなければスピードを落とせる。費用も、利用料は前年度の世帯収入で決まる仕組みなので、自己負担0円で通っている方が多数派です。

ただし注意してほしいのは、「ペースがゆっくり=レベルが低い」事業所も存在するということ。2年かけてHTML/CSSの基礎だけで終わる事業所と、1年で実務レベルのWebアプリを作れるようになる事業所では、同じ「就労移行支援」でも得られるものが全く違います。

じゃあ就労移行支援のプログラミングって簡単ってこと?ラッキー!

簡単とは言ってないです。
「自分のペースでできる」のと「レベルが低い」のは全く違います。
ペースがゆっくりでも到達点が高い事業所を選んでください。

就労移行支援で学べるプログラミング言語と難易度マップ

では具体的に、就労移行支援ではどんなプログラミング言語が学べるのか。そして各言語の難易度はどのくらいなのか。ここを整理しておきましょう。

事業所のホームページには「Python・Java・HTML/CSS…」と書いてあることが多いですが、大事なのは「何が学べるか」ではなく「どの深さまで学べるか」です。

プログラミング言語別「難易度×就職先」マッピング

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言語難易度特徴主な就職先
HTML/CSS★☆☆☆☆Web制作の基本。最初に学ぶ入口Web制作会社・コーダー
Python★★☆☆☆文法がシンプル。初心者向きデータ分析・AI関連・社内ツール開発
JavaScript★★★☆☆Webに動きを加える。需要が非常に高いフロントエンド開発・Webアプリ
PHP★★★☆☆Web開発の定番。WordPress関連の仕事に強いWebサービス開発・ECサイト
Java★★★★☆企業システムに多いが文法が厳格業務システム開発・大企業の基幹システム

未経験者がまず取り組むことが多いのはHTML/CSSです。これはプログラミング言語というより「マークアップ言語」ですが、Webの仕組みを理解する第一歩として避けて通りにくい。

その次に進む言語は、あなたが目指す方向によります。

  • Webサイトやアプリを作りたい → JavaScript
  • データ分析やAI関連に興味がある → Python
  • 手堅くWeb系の就職を狙いたい → PHP
  • 大企業のシステム開発を目指す → Java(ただし難易度高め)

事業所を選ぶ際は「自分が目指す方向の言語を、どこまで教えてくれるか」を確認してみてください。「色々学べます」と言いながら、どれも入門レベルで終わる事業所もあります。

「IT特化型」と「総合型」で訓練レベルは天と地ほど違う

就労移行支援事業所のプログラミング訓練は、大きく2種類に分かれます。

①IT特化型事業所:プログラミングやWebデザインなどIT系スキルに特化した専門事業所。カリキュラムが体系化されており、講師にIT実務経験がある。ポートフォリオ制作まで支援してくれるところも多い。

②総合型事業所のIT訓練:事務作業やコミュニケーション訓練がメインで、「オプション」としてプログラミング学習を提供。事業所によっては、実態がオンライン動画教材の視聴だけだったり、質問してもその場で答えが返ってこなかったりする。

この差は想像以上に大きいです。

私が入所した事業所も「ITスキルも学べます」という説明でした。でも入ってみると、渡されたのは既製品の動画教材のアカウント。分からないところを質問しても「ちょっと確認します…」と言ったきり返事が来ない。それでも利用期間だけは日々消費されていく。あの時間は本当に痛かった。

ここで責めたいのは事業所ではありません。入所前に「何を、誰から、どこまで教われるのか」を私が確認しなかった——それが全部です。だから同じ質問を、あなたには見学の場でしてほしい。

「IT特化型」って書いてあれば安心ですか?

残念ながら、そうとは限りません。「IT特化」を名乗りながら講師に実務経験がない事業所もあります。だから見学で直接確認するんです。後で質問リストをお伝えしますね。

就職できるプログラミングレベルと「2年間」の学習ロードマップ

ここが最も重要なパートです。

就労移行支援の利用期間は原則最大2年(24ヶ月)。市町村審査会の審査を経て最大1年の延長が認められるケースもありますが、あてにしないほうがいいというのが私の考えです。実際、利用者36,607人のうち2年以下で終える人が93.5%(厚労省・障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第15回資料/出典は社会福祉施設等調査)。延長まで使えている人は1割に届いていません。

この時間は有限です。一度消費したら取り返しがつかない。私は最初の事業所で貴重な時間を失いました。退所手続き、新しい事業所探し、入所手続きでさらに1〜2ヶ月。気づけば、予定にはなかった時間が丸ごと消えていました。

利用期間の残り日数を数えて、スマホを持つ手が震えたのを今でも覚えています。

だからこそ、最初の事業所選びで失敗しないでほしい。そのために、まず「就職に必要なスキルライン」と「2年で到達するためのロードマップ」を知っておいてください。

障害者雇用でIT就職するために必要な「最低スキルライン」

障害者雇用のIT求人で求められるスキルレベルは、求人タイプによって大きく異なります。以下は、私が求人票を見比べていた時の体感と、エージェントから聞いた話をまとめたものです。

「未経験OK」求人の最低ライン
  • HTML/CSS でWebページを1から作れる
  • JavaScript(またはPython)の基礎文法を理解している
  • ポートフォリオ(自作のWebサイトやアプリ)を1〜2点提示できる
  • 「学習意欲がある」ことを具体的な成果物で示せる
「経験者歓迎」求人のスキルライン
  • 実務レベルのコーディング力(フレームワーク使用経験)
  • Git/GitHubでのバージョン管理
  • チーム開発の経験(事業所内の模擬開発でもOK)
  • ポートフォリオの質が高い(実用的なアプリ)

正直に言います。数ヶ月かじっただけの小手先のスキルでは、開発職での就職はかなり厳しい。私が見ていた範囲でも、SEやプログラマーの求人は「情報系の学歴か実務経験」を前提にしたものが目立ちました。

ただし、「未経験OK+研修あり」の求人は確かに存在します。障害者雇用専門の転職エージェントを使うと、そういった求人に出会える確率は上がる。大事なのは「ポートフォリオの質」で「学ぶ意欲と実行力」を証明することです。

2年間の現実的な学習ロードマップ

就労移行支援の2年間をどう使うか。以下は「IT系就職を目指す場合」の目安ロードマップです。

STEP

【0〜3ヶ月】土台づくり期間
体調・生活リズムの安定化。PC基礎操作・タイピング習得。HTML/CSSの基礎学習スタート。この時期に「プログラミングが面白いと感じるか」を自分に問いかける。

STEP

【4〜9ヶ月】言語学習+実践期間
JavaScript or Pythonを1つに絞って集中学習。小さなプログラムを自分で作ってみる。ポートフォリオの構想を始める。

STEP

【10〜15ヶ月】ポートフォリオ制作期間
就職活動で提示するポートフォリオを本格的に制作。模擬案件やチーム演習があれば積極的に参加。

STEP

【16〜18ヶ月】就活準備期間
ポートフォリオ仕上げ。応募書類作成・面接練習。転職エージェント登録・求人の温度感を確認。

STEP

【19〜24ヶ月】就職活動期間
応募・面接を繰り返す。何十社落ちても続ける覚悟を持つ。並行して学習も継続。内定後は入社準備。

重要:このロードマップは「体調が安定していて、順調に進んだ場合」の目安です。

参考までに、就労移行支援を経て就職した人の平均利用月数は15.9ヶ月(厚労省・報酬改定検討チーム資料、平成29年度/2,023事業所)。2年をフルに使い切るのではなく、1年4ヶ月前後で決めている人が平均像です。体調の波、学習ペースの個人差、事業所のカリキュラムの進度によって前後します。焦らないでください。

大事なのは「期限に追われること」ではなく「限られた時間を、納得のいく形で使うこと」です。

だからこそ、最初の事業所選びのつまずきは後を引きます。合わない事業所で時間を使い、退所・再入所でさらに1〜2ヶ月。私はそうやって、残り期間の計算が合わなくなりました。利用期間の2年は、思っている以上に短いんです。

「6ヶ月やっても難しい」が転換の判断ポイント

プログラミングの向き不向きは、3〜6ヶ月真剣に取り組めばある程度見えてきます。

ここで大事なのは、「難しい」の中身を分解することです。

  • パターンA:理解はできるが手が動かない → これは慣れの問題。やり方・事業所を変えれば突破できる可能性が高い
  • パターンB:そもそも概念が頭に入ってこない → 教材や教え方が合っていない可能性がある。まず環境を変えてみて、それでも変わらないなら方向転換も選択肢に入る
  • パターンC:できなくはないが、全く楽しくない → 長く続けるのはしんどい。IT系の別の道を探すほうが、結果的に近道になることもある

パターンBやCに当てはまるなら、プログラミングに固執して残りの利用期間を使い切るより、早めに軌道修正するという選択肢があります。どちらを選ぶかはあなたが決めていい。ただ、「やめたら終わり」ではないことだけは知っておいてください。

「挫折した」ではなく、「自分の適性が分かった」。そう捉え直せるなら、その時間は無駄になりません。

プログラミングが合わなくても大丈夫。IT系「出口戦略」3選

ここ、すごく大事なところです。

プログラミングができなくても、IT系の仕事に就く道はあります。

多くの人が「IT=プログラミング」と思い込んでいますが、実際のIT業界にはコードを書かない仕事が山ほどある。そして就労移行支援でプログラミングを学ぶ過程で身についたPC操作スキル・論理的思考力・ITリテラシーは、他のIT系職種でも活きます。

プログラミング無理だったらもう終わりじゃん…

終わりじゃないよ。むしろ「自分にはプログラミングより合う道がある」って早めに気づけたほうが、残りの時間をそっちに使えるでしょ?

出口①:Webデザイン — ビジュアル思考が得意なら

プログラミングで学んだHTML/CSSの基礎知識はそのまま活かせます。「コードを書く作業は辛かったけど、Webページの見た目を整える作業は楽しかった」——そんな人は、Webデザインとの相性を試してみる価値があります。

Figma(デザインツール)+HTML/CSSの基礎スキルは、Webデザイナー求人でよく求められる組み合わせです。在宅勤務可の求人も見かけるので、体調に波がある方にとっては働き方の選択肢が広がりやすい職種でもあります。

  • HTML/CSSの学習が無駄にならない
  • Figma・Canva等のデザインツールは直感的に覚えやすい
  • 成果物が目に見えるのでポートフォリオを作りやすい
  • 在宅・フリーランス案件も存在する

出口②:動画編集・コンテンツ制作 — クリエイティブ作業が好きなら

「論理的に考えるのが苦手だった」という人でも、動画編集やコンテンツ制作なら手が動くことがあります。YouTube動画の編集、企業SNSの運用代行、サムネイル制作——コードを書かずにPCで完結する仕事です。

就労移行支援事業所でも動画編集コースを設けるところが増えており、プログラミングから方向転換しやすい環境が整いつつあります。

  • 論理的思考が苦手でも取り組みやすい
  • 動画・SNS運用は、企業が外注する場面が増えている領域
  • プログラミングより「成果物」が目に見えるためモチベーションを維持しやすい
  • 在宅で完結する仕事が多い

出口③:ITサポート・業務効率化 — PC基礎スキルを最大活用

プログラミングは書けなくても、PC操作やITの基礎知識はそのまま武器になります。Excel VBA、RPA(UiPath・Power Automate)などの「業務効率化ツール」は、プログラミングの考え方を活かしつつも、難易度はかなり低めです。

社内SE補助・ヘルプデスク・ITサポート事務は、障害者雇用でも求人を見かけやすい職種です。ITパスポートやMOS(Microsoft Office Specialist)と組み合わせれば、応募できる求人の幅は広がります。

  • プログラミング学習で得たPC操作力・論理的思考がそのまま活きる
  • Excel VBA・RPAは「プログラミングの入門版」で取り組みやすい
  • 事務職寄りのため、開発職より応募のハードルが低め
  • ITパスポート・MOS資格が応募書類で説明しやすい

大事なことなので、もう一度言います。

プログラミングは「手段」です。目的は、あなたが配慮を受けながら長く働ける仕事を見つけること。手段に固執して目的を見失わないでください。

「この事業所で大丈夫?」見学で使える7つのチェック質問

ここまで読んでいただいた方なら、もうお気づきだと思います。就労移行支援のプログラミング訓練が実になるかどうかは、事業所選びでほとんど決まる。これは私の実感です。

私が入所先を決めた理由は、「ホームページが良さそうだった」「相談の時に親切だった」「短期利用でも快く迎えてくれた」。それだけでした。カリキュラムの中身も、講師の実務経験も、使える求人の範囲も、一つも聞いていません。歓迎されたことと、条件が合うことは別なんです。その安心感で、肝心の確認が全部抜けた。

あの時の自分に言ってやりたいです。「見学に行ったら、その場で質問しろ。3ヶ所は回れ。1ヶ所目の空気で決めるな」と。

だから、これからプログラミングを学べる事業所を探すあなたに、見学時に聞いてほしい質問をリストにしました。

見学って何を聞けばいいか分からなくて…緊張もするし…

大丈夫です。このリストをスマホにメモして持って行ってください。聞くのはあなたの権利です。遠慮は一切いりません。

7つのチェック質問リスト

見学時に以下の質問をしてみてください。具体的な数字で即答が返ってくるかどうかが、そのまま判断材料になります。

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質問良い回答の例要注意な回答の例
①どの言語が学べますか?到達ゴールは?「JavaScript中心で、最終的にWebアプリのポートフォリオを完成させます」「色々学べます」「ご本人のペースで」(具体性なし)
②過去1年でIT職種に就職した人数は?「8名がエンジニア・デザイナー職で就職しました」「多くの方が就職されています」(数字を出さない)
③プログラミングが難しいと感じた利用者への対応は?「個別面談で原因を分析し、カリキュラムを調整します。Webデザインへの変更も可能です」「頑張れば大丈夫です」(精神論のみ)
④ポートフォリオ作成のサポートは?「企画・設計から制作・レビューまでサポートします。過去の作品例もお見せできます」「自主的にやっていただく形です」
⑤合わなかった場合、別コースへ変更可能?「可能です。デザイン・動画編集・事務スキル等に変更できます」「基本的にはプログラミングで続けてもらいます」
⑥講師のIT実務経験は?「Web開発歴5年のスタッフが常駐しています」「資格を持っています」(実務経験に触れない)
⑦就職活動で使える求人の範囲は?「ハローワークに加え、提携企業の求人と、エージェント併用も可能です」「うちはハローワークの求人だけです」(入所後に判明すると詰む)

⑦は特に見落とされがちです。私が入所した事業所は、就職活動で使える求人がハローワークのみでした。転職エージェントも他社の求人も使えない。しかもこの制約は、入所前に一切説明されていませんでした。事業所によってはエージェントとの併用そのものを禁止しているところもあります。併用を考えているなら、入所前に確認しておいてください。

このリスト、私が事業所を選ぶ時に持っていたかった。心からそう思います。

そして、これはIT訓練に絞った7つです。事業所選び全般で見るべきポイントと、要注意事業所のNGサインは別記事にまとめてあります。見学の場でそのまま読み上げられる形にしてあるので、スマホのメモに貼って持っていってください。

あなたに合うIT特化型就労移行支援事業所を見つけよう

ここまでの内容を踏まえて、IT系の訓練に力を入れている事業所を比べてみましょう。事業所ごとに得意分野・対応形態・カリキュラムの深さが違います。先ほどの7つの質問を頭に入れたうえで、自分に合いそうなところを2〜3ヶ所ピックアップしてみてください。

Neuro Dive
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【Neuro Dive】

ITスキル習得に強い
AI・データ分析など先端IT分野に特化
障害の配慮がありつつ、高年収が狙える
就職後のキャリアアップまで見据えた支援
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うつ症状・発達障害・統合失調症・聴覚障害・
難病の5つのコースに分けて訓練を行う
就労移行支援サービスです。
運営は障害者雇用に20年以上携わってきた
株式会社ゼネラルパートナーズ。
manaby
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在宅・自分ペースで学びたい人に
オンライン中心で、外出が難しい時期でも通所できる
IT系・WEB制作など在宅就労を目指せるコース
自分のペースを崩さず就職準備を進められる

比較表を見て「ここ良さそうかも」と思った事業所があれば、まずは無料見学を申し込んでみてください。ネットの情報だけで判断するのは危険です。実際に足を運んで、空気を感じて、スタッフと話して初めて分かることがある。

私の失敗から言えることは一つ。「ネットで見て良さそうだった」で決めるな。見学に行け。質問しろ。比べろ。それだけで、私と同じ遠回りは避けられます。

事業所だけじゃ不安な人へ。転職エージェントを「保険」として使う方法

ここで一つ、意外と知られていないことをお伝えします。

就労移行支援事業所に通いながら、転職エージェントを並行利用できる場合があります。ただし前のセクションで書いたとおり、併用を禁止している事業所もあるので、そこは入所前に必ず確認してください。併用できるなら、私は登録しておく価値があると思っています。

なぜか。事業所はあなたに訓練を提供してくれますが、「今の自分のスキルで市場からどう評価されるか」「どんなIT求人が自分に合うか」を教えてくれるのはエージェントだからです。

私自身は事業所の利用を途中で諦めてエージェントに切り替えましたが、今振り返れば通いながら登録しておけばよかったと思います。訓練の途中でも登録はできますし、「今の自分のスキルレベルで、どの程度のIT求人に応募できますか?」と率直に聞くだけでも、目指すべきレベル感が見えてきます。

障害者雇用専門エージェントをIT転職に活かす使い方

エージェントの使い方で私が重要だと思うのは、以下の3点です。

  • 1社に絞らず、複数登録して比較する:私は3社を並行利用しました。担当者の質、紹介される求人の方向性、対応スピードがそれぞれ違う。1社だけだと「こんなもんか」で終わりますが、比較すると良し悪しが見える。
  • 「IT系で就職したい。今のスキルでどの程度の求人がありますか?」と率直に聞く:遠慮は不要です。エージェントは求人市場のプロ。現実的な回答をもらうことで、学習の方向性が定まります。
  • 担当者と合わなければ変更を申し出ていい:エージェントもビジネスです。対等な関係で、自分に有利な条件を通していい。担当変更は日常的に行われていることなので、気後れする必要はありません。

転職活動は、決して短くは終わりませんでした。何十社も落ちた。書類で落とされ、手応えのあった面接でも不採用の通知が届く。転職サイトの不採用通知を開くのは、いつも深夜でした。誰にも見られたくなかったから。

でも、諦めずに続けた結果、複数の内定をもらえました。年収も希望通り。雇用形態は契約社員ですが、必要な配慮も通したうえで働き始めることができました。3社を比較していなかったら、この結果にはならなかったと思います。

今すぐ就職活動を始めなくてもいい。でも、訓練中にエージェントに登録して「求人の温度感」を掴んでおくだけでも、学習のモチベーションと方向性が変わります。

障害者雇用バンク
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【障害者雇用バンク】

複数の求人を一覧で比較できる使いやすさが特徴。
求人検索→エージェント相談の流れがスムーズで、「まず選択肢を広く見てから決めたい」人に最適。
登録・利用は完全無料。
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【dodaチャレンジ】

大手転職サービスdodaが運営。
非公開求人を含む豊富な求人数が強みで、障害者雇用の専任アドバイザーが書類〜面接まで一貫してサポートしてくれる。
大手・安定企業への転職を目指す人に向いている。
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【atGP転職サービス】

障害者雇用支援の実績が業界トップクラス。
障害の種類・特性ごとに専門的なアドバイスが受けられ、配慮のある職場への転職成功率が高い。
就労移行支援からそのまま転職活動に移行したい人にも対応。

エージェントは「就職準備が完了してから使うもの」と思っていませんか?私はそう思っていました。でも実際は、早い段階で登録しておくことで「自分のスキルがどこまで通用するか」のリアルが見える。それがあるのとないのとでは、学習の方向性が変わります。複数登録して、合う担当者を見つけてください。

よくある質問

就労移行支援のプログラミング訓練はどのくらいの期間で習得できますか?

基礎習得は3〜6ヶ月、就職を狙えるレベルまでは1年〜1年半が一つの目安です。ただし事業所のカリキュラムの質と、本人の体調・学習ペースによって個人差があります。参考までに、就労移行支援を経て就職した人の平均利用月数は15.9ヶ月(厚労省・報酬改定検討チーム資料、平成29年度/2,023事業所)。「早ければ良い」ではなく、自分のペースで積み上げることが大事です。

プログラミングが全く未経験でもついていけますか?

初心者対応のIT特化型事業所であれば、PC操作の基礎から教えてもらえます。ただし「未経験OK」の中身は事業所ごとに大きく異なります。見学でカリキュラムの具体的な内容と、講師の実務経験を確認してください。私はそこを聞かずに入所して、渡されたのが動画教材のアカウントだけ、という状況になりました。

就労移行支援のプログラミング訓練は一般のスクールより簡単ですか?

進度を自分のペースに合わせられるため、一般スクールのような「ついていけない」焦りは少ないです。ただし「ペースがゆっくり=レベルが低い」事業所も存在します。簡単に感じるほどレベルが低い事業所を選ぶと、就職に必要なスキルに届かないまま利用期間が終わるリスクがあります。

プログラミングが合わなかった場合、利用期間は無駄になりますか?

無駄にはならないと私は思っています。プログラミング学習で身についたPC操作力・論理的思考・ITリテラシーは、Webデザイン・動画編集・ITサポート・事務職など他の職種でも活きます。「自分にはプログラミングより合う道がある」と早めに気づけたなら、それは判断材料が一つ増えたということです。

障害者雇用でIT系の仕事に就いた場合、年収はどのくらいですか?

公的統計では、障害者雇用の平均賃金は身体障害23.5万円/精神障害14.9万円(いずれも月額・厚労省「令和5年度 障害者雇用実態調査」)。未経験スタートのIT求人は、この水準前後から始まることが多いです。一方、2023年頃に私が体験したNeuro Diveでは、利用者の平均年収は約400万円と聞きました。ただしこれは体験当時の説明にもとづく数字で、実績は年によって変わります。最新の数字は必ず直接確認してください。年収の考え方は就労移行支援後の年収は低い?平均値に騙されない3つの視点で詳しく書いています。

まとめ:就労移行支援のプログラミング難易度より大事なこと

最後に、この記事の要点を整理します。

  • プログラミング訓練の難易度は「事業所による・目指す職種による・何がしんどいかによる」
  • 向き不向きは診断名ではなく「学習中に何が起きるか」で考える。環境で変えられる部分は大きい
  • 大事なのは難易度そのものより、「その訓練が就職に繋がるかどうか」
  • 見学は3ヶ所を目安に。7つの質問で、具体的な数字が返ってくるかを見る
  • 利用期間2年は有限(2年以下で終える人が93.5%)。最初の事業所選びのつまずきは後を引く
  • プログラミングが合わなくてもWebデザイン・動画編集・ITサポート等の出口がある
  • 併用が可能なら、転職エージェントに早めに登録して求人の温度感を掴んでおく

事業所選びで失敗した経験者として言います。行動するのが怖い気持ちはわかります。でも情報を集めて動いた人から、状況は変わります。完璧に準備できてから動こうとするのは幻想です。見学に行って、合わなかったら次を見ればいい。

最後に。

私は事業所選びでつまずき、利用期間を削り、泣く泣く事業所の利用を諦め、エージェントに切り替えてから何十社も落ち続けました。へこむことも泣くことも、悔しくてたまらないこともあった。

でも振り返れば、あの遠回りがあったから「何を確認すべきか」「何を避けるべきか」が分かった。この記事に書いたことは、全部そこから出てきたものです。

最初に書いたことをもう一度だけ。ここに書いたのは「正解」ではなく、私ひとりの一例です。私の内定は正社員ではなく契約社員でしたし、何十社も落ちました。障害者雇用の正社員求人は本当に少ない。あなたに同じことが起きるとは限らないし、同じようにやる必要もありません。判断材料として受け取って、最後に決めるのはあなたです。

私の遠回りを、あなたはショートカットしてください。

「自分にプログラミングができるか」で止まっているその時間が、今いちばんもったいない。

利用期間は2年しかありません。最初の1ヶ所を間違えると、取り返しがつかない。
だから、見学に行く前にこれだけはやってください。

見学質問テンプレート10選つき

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