「就労移行支援でITスキルを身につけたい。でも、本当に無料で学べるの? 未経験の自分にもできるの? 事業所が多すぎて、どこを選べばいいかわからない——」
もしあなたが今、そんなふうに感じているなら、この記事はきっと役に立ちます。
なぜ言い切れるかというと、私自身が就労移行支援の事業所選びで大失敗した人間だからです。
一般雇用で心身を壊して退職。障害者手帳を取得し、「もう二度と無理はしたくない。配慮のある環境で、スキルを活かして働きたい」と思い、藁にもすがる思いで就労移行支援事業所の利用を決めました。
でも、最初に選んだ事業所が大ハズレだったんです。
見学のときは親切で、こちらの要望にも前向きに応えてくれた。「ここなら大丈夫だ」と思いました。でも入所してから不都合な条件を後出しされ、Word・Excelの基礎をやらされるだけ。人間関係にも躓き、退所を決意——。次の事業所を探そうとしたら「利用期間の壁」にぶつかって、泣く泣く就労移行支援自体の利用を諦めることになりました。
結局、転職エージェント3社を併用して4ヶ月間、何十社も落ちながら就職活動を続けた結果、なんとか複数の内定をもらい、希望通りの年収で障害者雇用の転職を実現しました。
振り返って思うのは、「最初からIT特化型の事業所を選んでいれば、ここまで遠回りしなかった」ということ。
発達障害とHSPの傾向がある私の特性を考えると、IT特化型の事業所でスキルを身につけて転職できたら、働きやすさやキャリアアップもしやすい土台ができたと考えています。
この記事では、私の失敗体験をベースに、IT特化型の就労移行支援事業所の正しい選び方、「就職率」のカラクリ、障害者雇用×ITの年収・在宅ワークのリアル、そして転職エージェントとの併用戦略まで、全部お伝えします。
私の遠回りを、あなたはショートカットしてください。
就労移行支援でITスキルは本当に身につくのか?

結論から言います。身につきます。ただし、「事業所選び次第」です。
IT特化型の就労移行支援事業所を正しく選べば、プログラミング・Webデザイン・データサイエンスまで、実践的なITスキルを無料で学べます。有料のプログラミングスクールなら30万円以上かかるカリキュラムが、就労移行支援なら多くの方が自己負担0円で受けられるんです。
「無料だからレベルが低いんじゃないの?」——そう思いましたか? 正直、私も最初はそう思っていました。
でもこれは大きな誤解です。たとえば、IT専門スクールのデジタルハリウッドと提携している事業所では、28万円相当の動画講座やAdobeソフトが無料で使える。現役のエンジニアやデザイナーが講師として在籍している事業所もあります。
ただし、ここが最も大事なところですが、事業所ごとの質の差は、正直言って激しいんです。
同じ「IT特化型」を名乗っていても、HTML/CSSの基礎だけで終わる事業所もあれば、AI・データサイエンスまでガッツリ学べる事業所もある。
だから「就労移行支援でITスキルは身につくか?」の答えは、「正しい事業所を選べば、YES」なんです。
IT特化型の就労移行支援とは?一般的な事業所との違い

そもそも「IT特化型の就労移行支援」とは何なのか。一般的な事業所との違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 一般的な事業所 | IT特化型事業所 |
|---|---|---|
| 訓練内容 | ビジネスマナー・軽作業・PC基本操作が中心 | プログラミング・Webデザイン・動画編集・データサイエンス等 |
| 学べるスキル | Word・Excel・コミュニケーション | Python・Ruby・JavaScript・HTML/CSS・Adobe・AI・RPA等 |
| スタッフの専門性 | 福祉の有資格者が中心 | IT業界出身者・現役エンジニア・デザイナーが在籍する事業所も |
| 就職先の傾向 | 事務職・軽作業・サービス業が中心 | ITエンジニア・Webデザイナー・データアナリスト等のIT職種 |
| 在宅訓練対応 | 事業所による | オンライン対応の事業所が比較的多い |
ポイントは、「IT特化型」と一口に言っても、カリキュラムの深さは事業所によって大きく異なるということ。基礎レベル(タイピング・Word・Excel)から始まる事業所もあれば、最初から実務レベルのプログラミングに特化している事業所もあります。
自分が何を学びたいのか、どんなIT職種を目指すのかを明確にした上で、それに合ったカリキュラムを持つ事業所を選ぶことが大前提です。
就労移行支援でITを学ぶ3つのメリット

「わざわざ就労移行支援でITを学ぶ意味あるの? 独学やスクールの方がよくない?」——そんな疑問もあるかもしれません。でも、就労移行支援ならではのメリットが3つあるんです。
- 費用の壁がない:有料プログラミングスクールは30万円以上が相場。就労移行支援なら前年の世帯所得に応じた負担額で、多くの方が自己負担0円で受講可能
- 就職支援とセット:スキル習得だけでなく、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、企業とのマッチング、就職後の定着支援まで一貫サポート
- 障害への配慮がある環境で学べる:体調に波があっても通所ペースを調整できる。在宅訓練に対応している事業所もあり、自分の状態に合わせて無理なく進められる
私自身、一般雇用で体を壊した人間です。復職したものの職場で孤立し、倦怠感を抱えながらのフルタイム勤務に限界を感じて退職しました。
あの頃の私にとって、「配慮のある環境で、自分のペースでスキルを身につけられる」というのは、本当にありがたい仕組みでした。独学じゃ続かなかったと思います。有料スクールに通うお金もなかった。就労移行支援だからこそ、もう一度スタートラインに立てたんです。

えっ、無料でプログラミング学べるの?有料スクールとか30万とかするのに?マジ?



マジです。ただし「無料=何でも学べる」ではないので注意。
事業所によってカリキュラムの深さは全然違います。だからこそ、選び方が大事なんです。
なぜ障害者雇用で「ITスキル」が最強の武器になるのか


就労移行支援でITスキルを学ぶ意味を理解するために、まず知っておいてほしいことがあります。
ITスキルは、障害者雇用で「選ばれる側」から「選ぶ側」に立つための、最も現実的な武器です。
「大げさだな」と思いますか? でもデータを見てください。
障害者雇用のIT職は年収が高い


障害者雇用の現実として、年収の壁は大きな課題です。たとえば、発達障害者の平均給与は月額12.7万円というデータがあります。年収換算で約152万円。正直、これだけでは生活するのが厳しい。
ところが、IT特化型の就労移行支援を経てエンジニア職に就いた卒業生の平均給与は、この2倍以上というデータが出ています。
さらに、障害者雇用枠のITエンジニア求人を見ると、年収300万〜680万円のレンジが一般的。スキルや経験を積めば年収800万円以上のポジションも存在します。
- 発達障害者の平均給与:月額12.7万円(年収約152万円)
- IT特化型事業所卒業生のエンジニア職:平均給与は上記の2倍以上
- 障害者雇用ITエンジニアの年収レンジ:300万〜680万円
- スキル次第:年収800万円以上のポジションも存在
「障害者雇用=年収が低い」というイメージは、もう古いんです。少なくともIT業界においては。
ITスキルを身につけることで、障害者雇用でも一般雇用に近い、あるいはそれ以上の待遇を得ることは現実的に可能です。
IT業界は在宅ワーク・リモートワークがしやすい


もうひとつ、障害者雇用でIT業界を目指す大きなメリットがあります。在宅ワーク・リモートワークが最も普及している業界だということです。
コロナ禍以降、IT業界ではフルリモート(完全在宅)やハイブリッド勤務(週2〜3日出社)が当たり前になりました。障害者雇用枠でも、フルリモートの正社員求人が年々増えています。
満員電車が辛い。通勤自体が体力的にきつい。人が多い環境だと集中できない…。こうした障害特性に起因する悩みは、在宅ワークで大きく軽減されます。
しかも、就労移行支援事業所の中には在宅訓練に対応しているところもある。つまり、在宅で訓練→在宅で就職という一貫したルートが描けるんです。通所すること自体がハードルになっている人にとって、これは革命的な選択肢だと思いませんか?
IT人材は不足している:障害者雇用でもチャンスは広がっている


「でも、IT業界って競争が激しいんでしょ? 障害者の自分に入り込む余地はあるの?」
あります。むしろ今がチャンスです。
経済産業省の試算によると、2030年にはIT人材が最大79万人不足すると言われています(経済産業省)。IT人材が足りない。だから企業は、障害の有無にかかわらず「スキルのある人材」を求めている。
実際、障害者雇用枠でのIT職求人は年々増加しています。「スキルがあれば障害の有無は問わない」——そういう採用方針にシフトしている企業は確実に増えているんです。
「今」ITスキルを身につけることは、将来の選択肢を広げるための最善の投資です。そのスタート地点として、IT特化型の就労移行支援事業所がある。これが、私があなたに伝えたいことです。



年収300万〜680万円って、一般雇用と比べても遜色ないですね。
ITスキルがあるかないかで、これだけ変わるんだ…。



そうなんです。しかも在宅ワークの選択肢もある。
だからこそ「どこでITスキルを学ぶか」が重要になる。次の章はしっかり読んでください。
IT特化型の就労移行支援事業所を選ぶ5つの基準:「就職率」だけで選ぶと失敗する


ここからが、この記事の核心です。
IT特化型の就労移行支援事業所は、全国にたくさんあります。ネットで検索すれば「おすすめ10選」「34選」みたいな記事がズラッと出てくる。でも、事業所の名前を羅列されただけで、あなたは選べますか?
選べないですよね。私も選べませんでした。だから失敗した。
大事なのは「どこがあるか」ではなく、「何を基準に選ぶか」です。以下の5つの基準を持って事業所を比較してください。この基準を知っていれば、少なくとも私のような大失敗は避けられます。
基準①「IT職種の就職率」を確認する:全体の就職率に騙されるな


これが最も重要な基準であり、ほとんどの人が見落としているポイントです。
多くのIT特化型事業所は「就職率○%!」とアピールしています。でも、ちょっと待ってください。その就職率の中身を見たことはありますか?
たとえば「就職率80%」の事業所があったとします。一見すばらしい数字です。でも、就職した人の職種内訳を見ると、IT職種(エンジニア・デザイナー・データアナリスト等)に就いた人はそのうちの40%で、残りの60%は事務職や軽作業だった——。こういうケースは珍しくありません。
IT特化型を名乗っていても、卒業生の多くが事務職に就いているなら、それは本当の意味で「IT特化」と言えるでしょうか?
実際、あるIT特化型事業所の公表データでは、IT企業への就職率44%が「業界高水準」とされています。つまり、IT特化型事業所でも「約2人に1人がIT職」という数字が高い方なんです。
見学時に必ず聞いてほしい質問はこれです。
「IT職種に就職した人の割合は何%ですか? 就職先の職種内訳を教えてください」
この質問に具体的な数字で即答できる事業所は信頼できます。曖昧にごまかす事業所は、要注意です。
基準② カリキュラムの深さ:「プログラミングが学べる」だけでは不十分


「プログラミングが学べます!」とアピールしているIT特化型事業所は多いです。でも、その「学べる」のレベルは、事業所によって天と地ほど差があるんです。
たとえば、HTML/CSSだけをさらっとやって「プログラミングが学べる事業所です」と言っているところもあれば、Python・Ruby・JavaScriptに加えてフレームワーク(React.js・Laravel等)まで実践的に教えてくれるところもある。
確認すべきポイントはこちらです。
- 学べるプログラミング言語・技術の種類は具体的に何か?
- ポートフォリオ(自分の作品集)を作れるカリキュラムになっているか?
- 実案件に近い実習やチーム開発の経験ができるか?
- 動画教材だけでなく、講師に直接質問できる環境があるか?
- カリキュラムの質を担保する仕組み(デジハリ提携・現役エンジニア講師等)はあるか?
特にポートフォリオを作れるかどうかは超重要です。IT職の就職活動では、「何を作れるか」を証明するポートフォリオが求められることがほとんど。訓練期間中にポートフォリオを完成させられるかどうかが、就職の成否を分けると言っても過言ではありません。
基準③ スタッフの専門性:IT業界経験者がいるか


これ、私が身をもって痛感したことです。
最初の事業所には福祉の有資格者はいました。いましたが、IT業界を知っている人は一人もいなかった。だから「IT企業に就職したい」と相談しても、返ってくるアドバイスは的外れ。ポートフォリオのレビューなんて、できるわけがない。
IT特化型を名乗る事業所を選ぶなら、必ず確認してください。
- IT業界出身のスタッフ、現役エンジニアやデザイナーが在籍しているか?
- 技術的な質問に答えられるスタッフがいるか?
- ポートフォリオのレビューや、IT企業への就職活動に関する実践的なアドバイスができるか?
福祉のプロがいることは大事です。でも、IT就職を目指す場所には、IT業界のプロもいなければ意味がない。この両方が揃っている事業所を選んでください。
基準④ 在宅訓練・オンライン対応の有無


体調に波がある人、通所自体が大きなハードルになっている人にとって、在宅訓練に対応しているかどうかは死活問題です。
在宅訓練に対応しているIT特化型事業所はまだ限られていますが、確実に増えてきています。ただし、「在宅訓練」の中身は事業所によって異なるので、ここも確認が必要です。
- 動画教材を一人で見るだけなのか、リアルタイムで講師に質問できる環境があるのか
- 在宅でもスタッフとの定期面談や進捗確認はあるのか
- 在宅勤務での就職実績があるのか(在宅訓練→在宅就職のルートが確立されているか)
特に将来的に在宅ワークで働きたい人は、在宅訓練に対応していて、かつ在宅勤務の就職実績がある事業所を選ぶのがベストです。訓練から就職まで一貫して在宅のルートが描ければ、通勤というハードルそのものをなくせます。
基準⑤ 就職後の定着支援があるか


就職はゴールじゃありません。「配慮を受けながら働き続けられる場所」を見つけて、そこで長く働けることがゴールです。
IT職は入社後もスキルアップが求められます。新しい技術についていけなくなった、職場の人間関係が辛くなった、配慮が受けられなくなった——。就職した後にこそ、支えが必要になることは多いんです。
見学時に確認してほしいのは以下のポイントです。
- 就職後6ヶ月間の職場定着率はどのくらいか?(参考:Neuro Diveの定着率は96.2%)
- 定着支援の具体的な内容は?(定期面談・職場とのコミュニケーション仲介等)
- 定着支援の期間はどのくらいか?
「就職させて終わり」ではなく、「働き続けられるまでサポート」してくれる事業所を選んでください。それが、長い目で見たときに最も大きな差になります。
本当に大事なのは、働き続けることです。そして、これが難しかったりします。職場の人に相談する前に事前に相談したいこともあるでしょう。そんな時、定着支援があると助かりますよ。
私は就労移行支援事業所から就職はできませんでした。ですがカウンセリングや別のサポート事業所の利用をして就労移行支援事業所とは別の形で相談先を複数もつようにしています。



つまり、就職率だけじゃなくて
「IT職種の就職率」「カリキュラムの深さ」「スタッフの専門性」「在宅対応」「定着支援」
の5つを見るんですね。ここまで具体的な基準は他のサイトにはなかったです。



この5つを持って、最低3ヶ所は見学に行ってください。1ヶ所だけ見て「ここでいいか」と決めるのが、一番危ないパターンですから。
ITスキルが学べる、おすすめ就労移行支援事業所


ここまで5つの基準を解説してきました。「じゃあ具体的に、どんな事業所があるの?」という疑問に答えます。
以下は、IT特化型で特徴が異なる事業所です。あなたの目標や状況に合った事業所を見つける参考にしてください。
AI・データサイエンス・RPAなどの先端IT分野を本格的に学びたいなら、Neuro Diveがおすすめです。IT関連職への就職率76%、就職後6ヶ月以上の定着率96.2%という実績があります。高年収のIT職を目指す人に向いています。
自分の障害特性に合った対策をしながらIT就職を目指したいなら、atGPジョブトレも候補に入ります。障害別のプログラムが用意されているので、自分の特性に合った訓練と就職対策ができるのが強みです。
体調に波があり、在宅訓練で自分のペースで進めたいなら、manabyを検討してみてください。在宅訓練に対応していて、障害や体調に合わせた通所ペースで進められます。ITスキルの習得が可能で、在宅就職の実績もあります。
「パソコン自体にあまり自信がない」「未経験からイチから始めたい」という方には、Cocorportが選択肢に入ります。幅広い訓練プログラムで基礎から対応しており、PCスキルに不安がある方でも安心してスタートできます。
以下の比較表で、各事業所の特徴をまとめて確認できます。
| 比較項目 | Neuro Dive (ニューロダイブ) | ココルポート | atGP ジョブトレ | manaby (マナビー) |
|---|---|---|---|---|
| 強み・ 特徴 | IT・先端分野(AI・データ分析など)に特化 | プログラム数が多く、生活面から就職準備まで幅広く対応 | 障害特性に合わせた専門コースで学べる | 在宅訓練や自分のペースでの学習に強い |
| 向いている人の傾向 | IT学習への関心が高く、ある程度PC操作に慣れている人向け | 初心者でも取り組みやすく、通所で生活リズムを整えたい人向け | 自分の特性に合わせて、環境や支援内容を選びたい人向け | 通所負担が大きい人や、自分のペースで進めたい人向け |
| 支援スタイル | 通所中心で、先端ITスキルの習得を目指せる。就職後のキャリアも意識しやすい | 通所中心。交通費や昼食補助がある拠点もあり、個別サポートも受けやすい | 通所型で、障害特性ごとのコースに沿って実践的な訓練を受けやすい | オンライン中心で、在宅で学びながら就職準備を進めやすい |
| こんな人におすすめ | ITスキルを身につけて、将来的に収入アップも目指したい人 | 生活リズムを整え、幅広生活リズムを整えながら、無理なく就職を目指したい人 | 自分の障害特性に合ったサポートを受けながら就職を目指したい人 | 外出がつらい人、在宅勤務や柔軟な働き方を目指したい人 |
| 就職先のイメージ | IT企業、専門職、事務系など幅広い職種を目指しやすい | 事務、接客、製造など幅広い一般職を目指しやすい | 障害者雇用枠を設けている企業や、配慮ある職場を目指しやすい | IT系、Web制作、在宅勤務可能な企業など |
| 最初の一歩 | WEB説明会を見る | 見学の流れを確認する | コース内容を見る | 在宅訓練を確認する |
大切なのは、「有名だから」「近いから」だけで選ばないこと。
前の章でお伝えした5つの基準を持って、必ず複数の事業所を見学・体験してから決めてください。事業所のホームページだけでは見えない空気感やスタッフとの相性は、自分の目で確かめるしかありません。
IT未経験でも大丈夫?向いている人・向いていない人の判断基準


「ITスキルが武器になるのはわかった。でも、プログラミングなんて触ったこともない自分にできるの?」
結論から言うと、IT未経験でも全く問題ありません。IT特化型の就労移行支援事業所の多くは、未経験者を前提としたカリキュラムを組んでいます。基礎的なタイピングやPCスキルから段階的に学べる事業所もあります。
ただし、「問題ない」と「向いている」は別の話です。入所してから「やっぱり合わなかった…」となると、利用期間2年のうちの貴重な時間を消費してしまいます。だから、事前に自分の適性を考えておくことは大事です。
IT訓練に向いている人の特徴


以下の特徴に当てはまるなら、IT訓練との相性は良いと思います。
- コツコツ作業が苦にならない:プログラミングは地道な作業の連続です。エラーを一つずつ潰していく根気がある人は向いています
- 「わからないことを調べる」のが嫌いじゃない:IT業界では「自分でググる力」がとにかく大事。指示待ちではなく、自ら調べて解決する姿勢がある人は伸びます
- 完成物が形になることにやりがいを感じる:自分が書いたコードでWebサイトが動く。アプリが形になる。この「できた!」の快感がモチベーションになるタイプは最高です
- 一人で黙々と作業する環境が合う:IT職は個人作業の時間が長い。人と話すより、自分の世界で集中できる人に向いています
- 在宅ワークを将来の働き方として目指している:IT職は在宅ワーク・リモートワークとの相性が抜群。「通勤したくない」がモチベーションでも全然いいんです



えー、俺プログラミングとか絶対無理だわ。数学も苦手だし…。



実はプログラミングに高度な数学はほとんど要らないよ。パズルを解くのが好きとか、地道な作業が苦にならないとか、そっちの方が大事。
IT訓練が合わなかった場合の代替ルート


もし訓練を始めてみて「自分には合わない」と感じても、それは全く問題ありません。「合わない」とわかったこと自体が、大事な発見だからです。
IT以外にも事務職特化型、デザイン特化型、コミュニケーション特化型など、さまざまな方向性の事業所があります。また、IT訓練で学んだ基礎スキル(Excel VBA・データ管理・基本的なPC操作)は、事務職に就く場合でも確実に武器になります。何も無駄にはなりません。
ただし、注意してほしいのは利用期間2年の消費です。「合わない」と感じたら早めに軌道修正する決断が必要です。だらだら続けて半年、1年が過ぎてからでは遅い。
「努力の方向を間違えるな」
これは私の信条です。ITに向いていないなら、早めに方向転換した方が結果的に近道になります。逆に、少しでも「面白い」と感じたなら、そこには可能性がある。その感覚を信じてほしい。



入所する前に見学・体験をすることをおすすめします。
先端技術を学べるNeuro Diveでも体験ができますよ。
そこで体験してみて継続できそうか、体験やその際に行われる面談で相談してみてください。



体験できるの安心しますね。
ネットでの情報では分からないこともあるし。
私が事業所選びで失敗した話:最初からIT特化型を選ぶべきだった


ここまで偉そうに選び方を語ってきましたが、私自身は事業所選びで見事に大失敗した人間です。
その失敗があったからこそ今の自分がいるとは思っていますが、同じ失敗をあなたにはしてほしくない。だから、恥を承知で包み隠さず話します。
一般雇用で働いていた頃、心身を壊して休職しました。復職したものの、職場では腫れ物に触るような扱い。全力で働きたいのに体が動かない。周りの目が突き刺さる。倦怠感を抱えながらのフルタイム勤務に限界を感じ、最終的に退職を決断しました。
「これからは少しでも自分にとって過ごしやすい状態で働きたい」
そう思って障害者手帳を取得し、就労移行支援事業所の存在を知りました。
藁にもすがる思いで最初の事業所を選びました。見学に行ったら、スタッフは親切で、こちらの要望にも前向きに応えてくれた。「ここなら大丈夫だ」と思ったんです。
でも、入所してからが地獄でした。
相談時には聞かされなかった不都合な条件を後出しされ、訓練内容はビジネスマナーとPC基礎操作が中心。事業所のブログに載っていた「利用者の声」も、実際はスタッフの監修が入っていて、許可が出ないと掲載されないものでした。有資格者のスタッフはいましたが、いるだけ。
あなたもこんな経験はありませんか?「ホームページで見た印象と、実際に行ってみたら全然違った」
あの感覚です。
人間関係にも躓き、退所を決意しました。ところが、退所の手続き、新しい事業所探し、入所手続きで1〜2ヶ月かかる。入るときはあんなに優しかった人たちも、辞めると伝えた瞬間、態度が一変した。事務的な声で手続きの説明をされたあの感覚は、今でも耳に残っています。
次こそはIT特化型の事業所を選ぼうと探しましたが、最初の事業所で余計な時間を使ってしまったせいで、就職したい時期までのリミットが迫っていた。「最低でも3ヶ月は通ってほしい」「前の事業所の利用期間はうちでは引き継げない」
そう言われた瞬間、頭が真っ白になりました。
悩みに悩んだ末、泣く泣く就労移行支援事業所の利用そのものを諦めました。
この体験から学んだ教訓は3つです。
- 最初からIT特化型を選んでいれば、利用期間を有効に使えた:「とりあえず近い事業所」で決めた結果、最も大事な2年間のうち数ヶ月を無駄にした
- 「大手だから安心」「有資格者がいるから安心」は危険な思考停止:肩書きではなく「中身」で選ぶべきだった
- 事業所がダメでも、転職エージェント併用で道は開ける:事業所だけに頼らなかったから、最終的に希望通りの転職ができた
「”大手だから安心”は、あの頃の自分に一番言ってやりたい言葉です。」——今でもそう思っています。
あなたには、同じ失敗をしてほしくない。だからこそ、最初からIT特化型の事業所を選んでください。適正さえあれば、年収の高さと働き方の自由度が高いのが魅力です。
そして、次のセクションで紹介する「転職エージェントとの併用」も忘れないでください。



利用期間の2年は有限です。
最初の事業所選びで失敗すると、取り返しがつかなくなります。ここだけは本当に覚えておいてください。
また短期で転職したい場合は、転職エージェントの利用も視野に入れてください。私の場合は、利用を始めて本腰をいれて取り組んだ上で、内定をもらうまでに4ヶ月ほどかかっています。
就労移行支援だけに頼るな:転職エージェント併用で就職の選択肢を最大化する


事業所でITスキルを身につける。これは最高のスタートです。でも、就職の選択肢を最大化したいなら、事業所の就職支援だけに頼るのはもったいないんです。
私は事業所の利用を途中で断念しましたが、その後、障害者雇用専門の転職エージェント3社に登録しました。結果として、事業所の就職支援だけでは出会えなかったIT求人に出会い、複数の内定をもらうことができた。年収も希望通りになりました。
事業所でスキルを身につけながら、同時にエージェントにも登録して求人の幅を広げる。この「二刀流」が、就職成功率を最大化する最強の戦略です。
転職エージェントとは?就労移行支援との違い


就労移行支援と転職エージェントは、役割が異なります。
| 項目 | 就労移行支援 | 転職エージェント |
|---|---|---|
| 主な役割 | 訓練・スキルアップ→就職支援 | 求人紹介・書類添削・面接対策→就職を直接サポート |
| 利用期間 | 最大2年 | 期間制限なし |
| 費用 | 多くの方が自己負担0円 | 完全無料(企業側が費用を負担) |
| 強み | スキル習得+障害への配慮がある訓練環境 | IT求人の豊富さ+プロによる就職活動支援 |
つまり、事業所では「スキルを身につける」、エージェントでは「スキルを活かせる求人を見つける」。この役割分担をうまく活用するのが理想です。
事業所の就職支援は心強いですが、保有している求人には限りがあります。エージェントを併用すれば、事業所では出会えないIT求人にアクセスできる可能性が広がります。
エージェントを複数社使うべき理由


転職エージェントは1社だけでなく、3社程度を並行利用することを強くおすすめします。
なぜか? 1社だけに頼ると、そのエージェントの得意分野や保有求人に選択肢が限定されてしまうからです。
エージェントによって得意な業種・職種が異なるし、担当者との相性もある。
私はエージェント3社を併用して就職活動をしました。正直、4ヶ月かかりました。何十社も落ちました。
書類で落とされ、手応えがあった面接でも不採用が続いた。面接の前日、何度も履歴書を読み返しては閉じて、結局朝まで眠れない夜が何度もありました。
でも、3社を併用していたからこそ、1社で落ち続けても別のエージェントから新しい求人が紹介される。
エージェントもこちらの希望を通そうと尽力してくれたし、質問にも丁寧に応えてくれました。諦めずに挑戦し続けた結果、複数の内定をもらうことができた。年収も希望通りになった。
もし担当者との相性が合わなければ、遠慮なく担当変更を申し出てください。エージェントも「人」ですから、合う合わないは当然あります。大事なのは、あなたの条件を妥協しないこと。
IT職で障害者雇用の年収・キャリアは諦めなくていい


最後にもうひとつ大事なことを伝えさせてください。
障害者雇用でも、IT職なら年収もキャリアも諦める必要はありません。
障害者雇用のITエンジニア求人は、年収300万〜680万円のレンジが一般的です。スキルを積んでジョブチェンジしていけば、さらに上を目指すことも可能です。
ひとつアドバイスするなら、IT職で障害者雇用を探す場合は「自社開発」か「社内SE」の求人を優先的に探してください。SES(客先常駐)は未経験者向けの求人が多いですが、常駐先が変わるたびに配慮内容を一から説明し直す必要があり、障害のある方にとっては負担が大きくなりがちです。
就職がゴールじゃないんです。「配慮を受けながら働き続けられる場所」を見つけるのがゴール。そのために、エージェントを併用して選択肢を広げてください。
障害者雇用に強い、おすすめ転職エージェント


事業所でITスキルを身につけながら、以下の転職エージェントにも並行して登録しておくと、就職の選択肢が大きく広がります。
障害者雇用専門のエージェントなら、あなたの障害特性や配慮事項を理解した上で、マッチする求人を紹介してくれます。IT職の求人も取り扱っているので、事業所でスキルを磨きながら並行して相談しておくのが賢い使い方です。
大手dodaが運営する障害者雇用専門のエージェントdodaチャレンジは、求人数が豊富でIT職の求人も多い。まず登録しておいて損はないエージェントです。
幅広い障害者雇用の求人情報を掲載している障害者雇用バンクも、複数エージェント併用の1社として活用できます。
繰り返しになりますが、エージェントは複数登録して比較するのが鉄則です。1社だけに依存すると、そのエージェントの保有求人と担当者の質に全てが左右されてしまいます。最低2〜3社は登録して、自分に合ったサポートをしてくれるところを見極めてください。
就労移行支援でIT就職を目指す人のよくある質問


- IT完全未経験ですが、就労移行支援でプログラミングを学べますか?
-
学べます。IT特化型の就労移行支援事業所の多くは、未経験者を前提としたカリキュラムを組んでいます。タイピングやPCの基本操作から段階的にステップアップできる事業所もあるので、「パソコンに自信がない」という方でもスタートできます。大切なのは、「未経験でも始められるか」より「自分の目標に合った事業所を選ぶこと」です。
- 就労移行支援のIT訓練だけでエンジニアとして就職できますか?
-
可能です。ただし、スキルレベルと求人のマッチング次第です。特に重要なのが「ポートフォリオ(自分の作品集)」。訓練期間中にポートフォリオを完成させられるかどうかが就職成功の分かれ目になります。事業所の訓練に加えて自主学習も並行して行い、実力を底上げするのが現実的です。また、転職エージェントを併用して求人の幅を広げることもおすすめします。
- 就労移行支援の利用期間2年でIT就職は間に合いますか?
-
多くの方は間に合います。IT特化型事業所の平均利用期間は10〜15ヶ月程度で、2年以内に就職する方が大多数です。ただし、事業所選びで失敗して途中で変更すると、利用期間を消費してしまいます。私自身、最初の事業所で数ヶ月を無駄にした結果、次の事業所で「前の事業所の利用期間は引き継げない」と言われ、利用を諦めることになりました。だからこそ、最初の事業所選びが全てを決めるんです。
- 在宅訓練でITスキルを学べる事業所はありますか?
-
あります。たとえばmanabyは在宅訓練に対応しており、ITスキルの習得が可能です。ただし、「在宅訓練」の中身は事業所によって異なります。動画教材を見るだけなのか、リアルタイムで講師に質問できるのかを必ず確認してください。在宅で就職したい方は、在宅勤務の就職実績がある事業所を選ぶのがポイントです。
- 障害者雇用のIT職で在宅ワークはできますか?
-
できます。IT業界はフルリモート・ハイブリッド勤務の求人が最も多い業界です。障害者雇用枠でもフルリモートの正社員求人は存在しますし、年々増加しています。在宅ワークの求人を効率よく探すなら、dodaチャレンジのような障害者雇用専門の転職エージェントに相談するのが効率的です。
まとめ:ITスキルを武器にして、配慮を受けながら自分らしく働こう


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この記事でお伝えしたことを整理します。
- ITスキルは障害者雇用で最強の武器:年収は一般的な障害者雇用の2倍以上、在宅ワークの選択肢も広がる
- IT特化型事業所は「名前」で選ぶな:「IT職種の就職率」「カリキュラムの深さ」「スタッフの専門性」「在宅対応」「定着支援」の5つの基準で選べ
- 就職率のカラクリに注意:全体の就職率ではなく、IT職種に就いた人の割合を必ず確認する
- 事業所だけに頼るな:転職エージェントを併用して、IT求人の選択肢を最大化する
- 最初の事業所選びが全てを決める:利用期間2年は有限。最低3ヶ所は見学して比較する
私は最初の事業所選びで大失敗しました。IT特化型を選ばなかったことで、利用期間を無駄にし、遠回りの末に事業所の利用自体を諦めた。あの時の自分に「最初からIT特化型を選べ」と言ってやりたい。
でも、遠回りしたからこそ、転職エージェント3社を併用して何十社も落ちながら、最終的に希望通りの転職ができた。ITスキルを身につけたことで、配慮を受けながらも年収は上がり、働き方も変わった。
事業所選びから転職活動まで合わせると約1年。へこむことも泣くことも、悔しくてたまらないこともありました。内定の連絡をもらった時、エージェントとの電話を切ってから声を出して泣きました。
大丈夫です。事業所選びで大失敗した私でも、ここまで来られたんですから。
私の遠回りを、あなたはショートカットしてください。
まずは気になる事業所の見学から。その一歩が、あなたの未来を変えます。
